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『禁色』(きんじき)は、三島由紀夫の6作目の長編小説。『仮面の告白』と並ぶ代表的な男色小説で、三島が20代の総決算として書いた作品である〔三島由紀夫「『禁色』は廿代の総決算」(図書新聞 1951年12月17日号に掲載)〕。女に裏切られ続けた老作家が、女を愛せない同性愛者の美青年と共謀して、女への復讐を企てる物語。老作家の指示どおり動いていた青年が次第に女なるものと向き合い、自分の意志で生きはじめる過程を通じ、精神と肉体、芸術家と芸術作品の関係性が描かれている。 社会的禁忌を正面から取り上げ、『仮面の告白』同様、文壇に大きな反響を呼ぶと同時に、種々様々な観念・芸術論から社会批判に至るまで、多くの文学的要素が盛り込まれた質的にも量的にも厚みを持った長編で、戦後の三島の作家的地位を堅固なものにした作品である〔佐藤秀明『日本の作家100人 三島由紀夫』(勉誠出版、2006年)〕〔野口武彦「解説」(文庫版『禁色』)(新潮文庫、改版1969年)〕。 == 発表経過 == 第一部『禁色』は1951年(昭和26年)、雑誌『群像』1月号から10月号まで連載された(11月号に第一部の結末を変更する「改訂広告」を掲載)。単行本『禁色 第一部』は同年11月10日に新潮社より刊行された(連載時と異なる結末)。 第二部は『秘楽』(ひぎょう)と題されて1952年(昭和27年)、雑誌『文學界』8月号から翌年1953年(昭和28年)の8月号まで連載された。単行本『秘楽 禁色 第二部』は同年9月30日に新潮社より刊行された。第一部と第二部の間に、10ヶ月の休止期間があるのは、作者が世界旅行中のためである。文庫版は合冊され新潮文庫で刊行されている。翻訳版は1969年(昭和44年)のAlfred H. Marks訳(英題:Forbidden Colors)をはじめ、各国で行われている。 なお、雑誌連載時の第一部(第18章まで)の結末は、鏑木夫人が失踪の後、自殺する終わり方となっていたが改訂されて、生きかえらせている。三島はその理由について、「夫人を自殺させることは、当初のプランでもあつたが、(中略)計画どほりに夫人を殺してから、私は早まつたと思つた。この人物には書くにつれて愛着が増して来てをり、殺すには惜しい女だつたからである」と述べている〔三島由紀夫「あとがき」(『三島由紀夫作品集3』)(新潮社、1954年)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「禁色 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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